弔辞について

弔辞のマナーについて

依頼された場合について

故人と親交の深かった人の中から、とくに遺族に選ばれた人が述べるのが弔辞です。依頼されたら、よほどの理由がないかぎり引き受けましょう。

文字数の目安と言葉のマナーについて

弔辞は、故人への哀悼の気持ちと遺族への弔意を文章にして伝えるとともに、独特の忌み言葉や故人の宗教による言葉のタブーに気をつけ、自分の言葉で表現します。

文章量は400字詰め原稿用紙2~3枚程度、時間にすると3分が目安です。

弔辞に盛り込む内容は、遺族の気持ちに配慮して選びましょう。たとえば不慮の事故で亡くなった場合は「急なことに驚いている」などの言葉を加え、病死ならば、ねぎらいの言葉を入れるなどです。

しかし「本人も楽になった」というニュアンスまで入れるのは行き過ぎ。感傷的にならず、抑え気味にするとよいでしょう。

また、忌み言葉や宗教による言葉の使い分けを把握することも必要です。

注意すべき言葉について

忌み言葉と呼ばれる下記の言葉は使わないよう注意すること。

重なる、重ね重ね、再三、くり返す、くれぐれも、たびたび、しばしば、ときどき、返す返すも、さらに、続く、皆々様、死、死亡、苦、四、九・・・など。

☆宗教別「死」を置き換えて表す言葉

仏教・・・往生、成仏、他界

神道・・・帰幽(きゆう)

キリスト教・・・帰天、昇天、召天(しょうてん)

☆よく使う仏教用語(仏式以外の葬式・告別式では使用不可)

供養、往生、成仏、冥福

基本の書き方について

1.故人へのよびかけ、「〇〇さん、・・・」

2.訃報を知った驚き、故人への哀悼

3.故人と自分との関係

4.故人の人柄や経歴、業績

5.故人への感謝の言葉

6.残された者としての決意

7.故人の冥福を祈る結びの言葉「どうぞ安らかにお眠りください」

筆記具のマナーについて

弔辞は読み終えたら祭壇に捧げ、そのあとは遺族が保管するものなので、正式には巻紙に薄墨の「毛筆」で書きます。

無地の白い便せんや、市販の弔辞用紙に「筆ペン」で書いても構いません、

読み方について

葬式・告別式の司会役から紹介されたら、祭壇の前に進み出て遺影に向かって読み上げ、最後に供えます。

弔辞は、遺族や参列者によく聞こえるように、はっきりとした発声で、ゆっくり読み上げます。自分の気持ちを書いた言葉だからこそ、読み上げているあいだにときどき顔を上げて遺影を見る方が、弔意が伝わるでしょう。

 

弔辞の読み方

1.祭壇に進む

祭壇の一歩手前の位置で、喪主・遺族、参列者に目礼する。祭壇に向き直り、遺影に一礼する。

2.弔辞を開く

左手で弔辞を持ち、右手で上包みを開き、なかから弔辞本文の巻紙を右手で取り出す

3.弔辞を読む

弔辞を目の高さに捧げ持って、読み上げる。読んだ部分は右手で巻紙を巻いていく

4.祭壇に供える

読み終えたら上包みと弔辞の巻紙を左手で持ち、取り出すときと逆の手順で包み直す。祭壇の前に進み出て、表書きを遺影に向けて祭壇に供える

言葉の例文について

☆社員代表から社長への言葉の例文

ポイント:二代目社長の場合、業績や人柄の紹介を通して「すばらしい後継者」だったことを強調します

故・山上周一社長の御霊前に、社員一同を代表し、お別れのごあいさつを申し上げます。

皆様ご存知のように、当社は社長の父上が創業されました。父上亡きあと、社長が後継されたわけですが、父上譲りの誠実な商売の姿勢に、社長ならではの若い発想とエネルギーを加え、業界の景況が依然厳しい中、堅調な経営を続けてこられました。

役員には社長より年長者も多かったのですが、社長は礼節と謙虚な姿勢を忘れず、かつ経営者としてのリーダーシップは発揮するという大変すばらしい手腕ぶりでございました。私どもも学ぶところが多く、これからは社長のもと、当社の一層の発展に力を注ごうとしていた矢先の、この悲報です。

指導者を失った悲しみと不安はつきませんが、このようなときにこそ社員一同が力を合わせて社長の指針を引き継ぎ、ご恩義に報いる所存です。どうぞ安らかにお眠りください。

☆部下から上司への言葉の例文

ポイント:職業人として尊敬していたこと、また上司として信頼し敬愛していたことを述べ、失ったものの大きさを語ります

故・鈴木博部長の御霊前に、営業部を代表し、哀悼のごあいさつを申し上げます。

2週間ほど前、お見舞いに伺いましたのが最後のお別れになってしまいました。しごとのことを気にかけ、早く復帰したいという力強いお言葉をいただいておりましただけに、突然の訃報にただ呆然とするばかりです。

部長の手腕には、社の内外から厚い信頼が寄せられておりました。そして私ども30名の営業部員にとって、部長はもっとも尊敬する営業のプロであり、ときに厳しく、ときに寛容なよき上司でした。

部長のご指導を今後受けられないことは、私どもにとって大きな悲しみであり、絶望であります。しかし、これまで教えていただいたご教訓を生かし、会社の一層の発展に尽くすことが、私どもが部長のためにできる唯一、最善のことと考えております。どうか、これからも私どもをお導きください。

「冠婚葬祭 マナーの便利帖」より

「短いスピーチあいさつ実例大事典」より

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