告別式とは何かや流れや服装や香典など葬儀のマナーを解説

告別式とは何か

告別式とお葬式の違いについて

お葬式と告別式は、厳密には異なる儀式です。

お葬式の意味について

故人を葬る葬式は、本来は個人が家族・親類・縁者・近しい人と別れる宗教的な儀式で、仏式では僧侶が取り仕切ります。

告別式の意味について

告別式は参列する全ての人が故人にお別れする、社会的な式典です。現在は、どちらも同じ日の同じ会場でおこなうケースが増えましたが、葬式から告別式の順で式次第が組まれている一般的です。

葬式から参列する場合は、読経に遅れないよう10分前には会場に到着しましょう。告別式は、焼香が終わったら辞去して構いませんが、会場の外で故人の出棺まで見届けるほうが、礼を尽くしているといえます。

お通夜の意味について

通夜は古来、葬るまで鳥獣から遺体を守り、不安定な死者の魂に悪霊が近づくのを防ぐ目的で、近親者が夜通し遺体に付き添うものでした。

やがて、葬式が隣近所の人の協力で行われるようになり、喪家もその人たちに相応の接待をするようになり、現在の通夜の形が定まってきました。

かつての通夜は遺体を納棺せず、ろうそくや線香の火を絶やさず、遺族や近親者が夜を徹して付き添いました。

最近では、通夜を行う前に納棺して祭壇に安置し、夜の9時ごろまでには終了する「半通夜」が主流となっています。

葬儀のマナーについて

参列できない場合について

お通夜や葬式・告別式に参列できないときは、できるだけ早く香典を郵送します。

その場合は、お悔やみと参列できない理由を手紙にしたため、現金書留に同封します

弔事の手紙は、毛筆か薄墨色・濃紺色のインクで書きます。

また、お通夜や葬式・告別式に参列する友人や同僚に香典を託す場合は、連名にすると香典返しの際、遺族側に住所や金額の確認の手間がかかってしまうので、自分のぶんを別に用意します。

お通夜で香典を渡している場合について

香典は通夜か葬式・告別式に持参しますが、どちらも参列する場合は2度渡す必要はありません

通夜で香典を渡したら、葬式・告別式に参列するときは、受付で係に香典を通夜で渡している旨を伝え、芳名帳への記帳だけします。

香典の準備について

香典を霊前に供えるには、その故人の宗教に即したマナーを守る必要があるので、まず宗教・宗派などを確認します。お通夜か葬式・告別式に持参しますが、両方に参列する場合はお通夜で参列するとよいでしょう。

☆偶数の金額

かつては「奇数は吉、偶数は凶」といわれ、不祝儀の金額を偶数にしたり、祝儀でも「4(死)」「9(苦)」の数字を忌み嫌ったりする習慣がありましたが、現在はあまり気にされなくなりました。

☆新札のマナー

真新しいお札は、前々から用意していたようで失礼にあたるとの考えから、古い紙幣にしたり、真新しいお札に折り目をつけて贈ることが多いようです。

☆代理に託す場合

また、お通夜や葬式・告別式に参列する友人や同僚に香典を託す場合は、連名にすると香典返しの際、遺族側に住所や金額の確認の手間がかかってしまうので、自分のぶんを別に用意します。

☆金額の相場

香典を贈る場合の金額の目安です。故人との関係や立場により、若干金額が変わってきますのでご注意ください。

故人との関係・・・金額の目安

祖父母・・・1万~3万円

両親・・・5万~10万円

兄弟姉妹・・・3万~5万円

おじ・おば・・・1万~3万円

そのほかの親戚・・・1万~2万円

勤務先の関係者・・・5千~1万円

仕事上の関係者・・・5千~1万円

知人・友人・またその家族・・・3千~5千円

隣近所の人・・・2千円~

☆宗教がわからない場合の水引、表書き、名前の書き方

◆お葬式は、二度と繰り返してほしくないことなので、水引きは結んだらほどけない結び切りにします。色は、黒白、双銀、青白などにします。

◆殺生を避ける弔事では、のしは付けないのが決まりです。

◆「御霊前」は、宗教を問わず使える表書きです。

氏名は表書きより少し小さめに、相手が読みやすい文字を書きます。毛筆または筆ペンで、薄墨で書きます。

水引:黒白、双銀、青白などで結び切り

のし:なし

表書き:「ご霊前」

名前:表書きより少し小さめでフルネーム

香典袋の書き方:宗教がわからない場合

 

☆仏式の水引、表書き、名前の書き方

◆お葬式は、二度と繰り返してほしくないことなので、水引きは結んだらほどけない結び切りにします。色は、黒白、双銀、青白などにします。

◆殺生を避ける弔事では、のしは付けないのが決まりです。

「御香料」や「御香典」は仏式にしか使えない表書きで、「線香の代わりとしてお金を包む」という意味になります。

氏名は表書きより少し小さめに、相手が読みやすい文字を書きます。毛筆または筆ペンで、薄墨で書きます。

水引:黒白、双銀、青白などで結び切り

のし:なし

表書き:「御香料」「御香典」

名前:表書きより少し小さめでフルネーム

香典袋の書き方:仏式

 

☆浄土真宗の水引、表書き、名前の書き方

◆お葬式は、二度と繰り返してほしくないことなので、水引きは結んだらほどけない結び切りにします。色は、黒白、双銀、青白などにします。

◆殺生を避ける弔事では、のしは付けないのが決まりです。

◆仏教のほかの宗派と違い、亡くなったらすぐに仏になるという教えなので、「御仏前」とします。

氏名は表書きより少し小さめに、相手が読みやすい文字を書きます。毛筆または筆ペンで、薄墨で書きます。

水引:黒白、双銀、青白などで結び切り

のし:なし

表書き:「御仏前」

名前:表書きより少し小さめでフルネーム

香典袋の書き方:浄土真宗式

 

☆神式の水引、表書き、名前の書き方

◆お葬式は、二度と繰り返してほしくないことなので、水引きは結んだらほどけない結び切りにします。色は、黒白、双銀、青白などにします。

◆殺生を避ける弔事では、のしは付けないのが決まりです。

「玉串料」は、「本来、玉串(榊)を持ってくるところ、お金を持ってきました」という意味になります。

「御榊料」も「玉串料」と同じ意味になります。

氏名は表書きより少し小さめに、相手が読みやすい文字を書きます。毛筆または筆ペンで、薄墨で書きます。

水引:黒白、双銀、青白などで結び切り

のし:なし

表書き:「玉串料」「御榊料」

名前:表書きより少し小さめでフルネーム

香典袋の書き方:神式

 

☆キリスト教式の水引、表書き、名前の書き方

◆キリスト教式の場合、水引きはつけません。市販の十字架やユリの花の付いた不祝儀袋か、白の封筒が基本です。

◆のしはつけません。

◆表書きは「お花料」または「御花料」が一般的です。

氏名は表書きより少し小さめに、相手が読みやすい文字を書きます。毛筆または筆ペンで、薄墨で書きます。

水引:なし

のし:なし

表書き:「お花料」「御花料」

名前:表書きより少し小さめでフルネーム

香典袋の書き方:キリスト教式

 

☆連名で渡す際の水引、表書き、名前の書き方

◆お葬式は、二度と繰り返してほしくないことなので、水引きは結んだらほどけない結び切りにします。色は、黒白、双銀、青白などにします。キリスト教式の場合は、水引きなしの白封筒に。

◆殺生を避ける弔事では、のしは付けないのが決まりです。

◆宗教を問わず使える表書きなので、「御霊前」。浄土真宗の場合は「御仏前」にします。

会社名は(株)、(有)と略さずに書き、左に部や課、「〇〇一同」「有志一同」などと、毛筆または筆ペンで、薄墨で書きます。

3名までは連名で氏名を書いてOK。その場合、右から左へ目上の人から氏名を書きます。

◆奉書紙か半紙に、全員の住所と氏名を毛筆か筆ペンで、薄墨で書いて、中包みに入れるのが正式です。ただし、便箋に万年筆(黒インク)で書いても失礼にはなりません。

香典袋の書き方:連名の場合

 

☆夫婦連名での書き方

夫はフルネームで、妻は名前だけを夫の位置に揃えて書きます。

☆少額のとき、香典返しを辞退するときの書き方

◆裏面に「返礼拝辞(香典返しを辞退する言葉)」と書く。

☆弔問が忌明けになった場合の書き方

◆仏式は表書きを「御仏前」にする。

◆「返礼は謹んで遠慮いたします」など、「返礼拝辞」の紙を同封する。

☆中袋の書き方

表側:中央に金額を書きます。ただし、市販のもので金額の記入欄がある場合はそこに書きます。算用数字ではなく、漢字を用いましょう。

裏側:住所と氏名を書きます。こちらも記入欄があればそこに書きます。

香典袋の書き方:中袋

 

☆金額の書き方

金額は漢数字で書きます。表記は正式でも略式でも構いません。

金額の下に「也」は書きません

正式・・・略式

金 伍阡圓・・・金 五千円

金 壱萬圓・・・金 一万円

金 弐萬圓・・・金 二万円

金 参萬圓・・・金 三万円

金 伍萬圓・・・金 五万円

金 拾萬圓・・・金 十万円

☆お札の入れ方

香典袋に入れる現金は、封筒に入れるか中袋に包みます。市販の香典袋で中袋がついていないときは、半紙か奉書紙で包むと丁寧です。

また、香典袋にお札を入れるときは、お札の表(顔が印刷されている側)が裏を向くように中袋にいれます。

中袋を上包みから外すときは、水引をかけたまま上包みの下から引き抜きます。水引は一度外すとかけ直すのが難しいので、お金を入れて金額や氏名を記入したらそのまま下側から入れて戻すと袋がよれたりしません。

服装の準備について

喪服には正式と略式とがあります。正式な喪服は喪主、遺族、世話役代表など喪家側が着るもので、一般の参列者は略式喪服を着用します。

☆男性の喪服

男性は黒一色のブラックスーツが基本ですが、濃紺や濃い灰色の無地のダークスーツでもいいでしょう。

ワイシャツは白、ネクタイ、靴、靴下は黒で統一します。

男性の喪服のマナー

 

☆女性の喪服

女性は黒のフォーマルウェアが基本です。ワンピース、スーツ、アンサンブルなどの種類は問いませんが、肌の露出が大きいノースリーブや襟ぐりの大きいもの、レース地や透ける素材のものは避けましょう。

 

和装の場合は地味な色無地にします。

女性の喪服のマナー

☆ヘアスタイル

ロングヘアはすっきりと上品にまとめる。髪飾りはできるだけ避けるが、つけるときはつやのないリボンやバレッタなどでとめる。

☆メイク

かつては喪服を着るときは、「片化粧」といって、口紅を使わないしきたりがありました。しかし現在では、ノーメイクはむしろ失礼にあたるとされているので、控えめなメイクをしてください。

マニキュアはしないのが原則ですが、透明な色なら構いません。

☆アクセサリー

身につけていいのは白や黒のパール、オニキスなどの一連のネックレス、シンプルな一粒イヤリングなど。二連のネックレスは重なることを嫌う弔事ではしないのが基本です。

指輪は結婚指輪のみOKです。

☆ハンカチ

色柄物は目立つので、白の無地や黒のフォーマル用のものを用意しておきましょう。

☆香水

お香のにおいが立ち込める通夜や葬儀の場に、華やかな香水の香りはふさわしくありません。どうしてもという場合は、オーデコロンくらいにし、つけるのも膝の裏や足首の内側などにします。

☆冬のコート

コートやショールは葬儀式場はもちろん、故人を見送る場でも脱ぐのがマナーです。

極寒の時期、屋外での待ち時間に着るのはやむをえませんが、出棺の際は必ず脱いで見送りましょう。

☆子供は参加させないこと

お通夜にも葬式・告別式にも、「故人の身内以外の子供は、特別な理由がない限り同伴しないもの」です。

☆子どもの喪服

それでも同伴するなら、子供の場合は学校の制服が正装となります。

制服が無い場合、男の子は白のワイシャツに黒っぽいズボン、女の子は白いブラウスに黒いスカートがよいでしょう。

遺族で制服を着用しないときは、喪章をつけます。靴は黒、靴下やハンカチは黒か白いものを用意します。

☆赤ちゃんの喪服

赤ちゃんの場合もできるだけフリルなどの飾りのない地味な服や、エプロンなどを着せます。

袱紗の包み方について

1.ふくさについているツメを左側に、不祝儀袋を真ん中より少し右に置く。

2.不祝儀袋の右側を折る。

3.下側を追ってから上側を折る。

4.左側を折り、ツメをとめる。

ふくさの包み方

 

☆色の選び方

祝儀用:明るい色のもの。赤色、朱色、えんじ色、赤染め模様、刺繍入りのものなど。

不祝儀用:暗めの色のもの。黒色、グレー、藍(青)色など。

両方に使える色:紫色

ふくさの色

 

香典の渡し方について

1.一礼した後、受付台の上で、ふくさを広げる

2.袋を取り出しふくさをたたみ、その上に袋を置く。

3.「ご霊前にお供え下さい」など一言述べて相手に向けて渡す。

☆芳名帳への記帳の仕方

芳名帳は、遺族が香典返しをする際に使う住所録にするものです。住所・氏名を丁寧に、わかりやすい字で書きましょう。

仕事関係で上司の代理として参列する場合は上司の名前を記入し、その下に「代」と小さく書く。

また妻が夫の代理を務める場合は夫の名前の最後に「内」と小さく書き、本人が参列したと間違われないようにします。

◎代理出席で名刺を添えるとき

代理で記帳する際、上司からあずかった名刺を渡すときは、名詞の右上に「弔」、自分の名刺を渡すときは「代」と書きます。

名刺が横書きの場合は、左上すみに小さく書くといいでしょう。

参列の作法・どこまで出席するかについて

葬式と告別式は、厳密には異なる儀式です。

故人を葬る葬式は、本来は個人が家族・親類・縁者・近しい人と別れる宗教的な儀式で、仏式では僧侶が取り仕切ります。

告別式は参列する全ての人が故人にお別れする、社会的な式典です。現在は、どちらも同じ日の同じ会場でおこなうケースが増えましたが、葬式から告別式の順で式次第が組まれている一般的です。

葬式から参列する場合は、読経に遅れないよう10分前には会場に到着しましょう。

告別式は、「焼香が終わったら辞去して構いません」が、会場の外で故人の出棺まで見届けるほうが、礼を尽くしているといえます。

☆携帯電話・スマートフォン

葬式・告別式に参列する前に、携帯電話・スマートフォンの電源を切っておきましょう。しめやかな儀式で大きな音を立てる行為はマナー違反。

また、知人にばったり会っても、大きな声で話すのは失礼になるので、目礼程度にとどめましょう。

焼香の作法について

香には「抹香」「線香」の2つがあり、抹香は葬式・告別式や通夜に、線香は通夜のほか法要などに使います。

焼香方法には立礼と座礼があり、抹香を座礼で焼香する場合、回し線香の形式をとることもあります。

線香焼香の作法:座礼の場合

1.遺影に拝礼したら、祭壇の前に進み出て正座し、合掌する

2.右手で線香を取り、ろうそくで火をつける。左手に線香を持ち替え、右手であおいで炎を消す

3.右手に持ち替え、香炉の奥に立てる

4.遺影に再び合掌し、一歩下がって一礼し祭壇の前を退去する

Point:亡くなった人のために一心不乱に祈るという態度をあらわすため、線香は1本でいいといわれています

線香焼香の作法:座礼の場合

 

抹香焼香の作法:立礼の場合

1.遺族・僧侶に一礼し、祭壇の一歩手前まで進み出る

2.遺影を向いて拝礼し、祭壇に進み出て合掌する

3.右手の親指と人差し指と中指で抹香をつまみ、目の高さに押しいただき、香炉の中に静かに落とす、という動作を1~3回繰り返す。

4.遺影に再度合掌し、1歩下がって一礼して遺族・僧侶にやや深めの礼をし下がる

Point:抹香を落とす回数は宗派によっては決まりもあるが、1~3回が目安。喪主のまねをするとよい

線香焼香の作法:立礼の場合

 

回し焼香の作法:座礼の場合

1.香炉が回ってきたら、会釈しながら両手で受け取り、ひざの前に置く

2.祭壇の方向に合掌する

3.右手の親指と人差し指と中指で抹香をつまみ、目の高さに押しいただき、香炉の中に静かに落とす、という動作を1~3回繰り返す。

4.祭壇を向いて再度合掌する

5.香炉を両手で持ち、次の人に渡す

Point:抹香を落とす回数は宗派によっては決まりもあるが、1~3回が目安。喪主のまねをするとよい

回し焼香の作法:座礼の場合

 

「冠婚葬祭 マナーの便利帖」より

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